平成30年度総会および記念講演の報告

 2018年度定期総会が4月15日(日)ウインクあいちにて行われました。午前の総会は、出席正会員数152名(うち委任状提出124名)で、全正会員数249名の1/4を超えましたので成立しました。昨年度の事業報告と決算報告、今年度の事業計画と予算が審議されすべて承認されました。

≪記念講演概要≫
「すべては小さな一歩から~アタカマ砂漠マラソンへの挑戦~」
講師:岡田 果純さん

 午後の記念講演会は、1型糖尿病患者本人の岡田果純さんから貴重なお話を頂きました。岡田さんは医者でもなく、芸能人でもなく、普通の会社勤めの社会人ですが、1型糖尿病患者としては特異な経験をされており、その貴重な体験談をもとにした講演を頂きました。
 大学卒業前に、コスプレマラソン参加がきっかけでアタカマ砂漠マラソンへ挑戦することになりましたが、そこは世界で最も過酷なマラソン。 国はチリ、スタート地点は標高3300m 昼夜の寒暖差40度 全長250kmを 7日間で走りぬく テントで寝泊まりし、死の危険もありという世界一苛酷な卒業旅行となりました。
 川を10km走った後に砂丘を走るコースがあり、細かい砂が靴や靴下を通ってふやけた足を襲い、何枚も爪が剥がれてしまうという過酷な体験、痛みと戦いながらボロボロになって7日間、250kmも走りぬくという健常者でも大変なのに彼女は1型糖尿病患者です。インスリンの保冷方法や補食等、その他もろもろ、準備も荷物も常人よりはるかに負担が多いはずです。なぜ、そんな苛酷なレースに出ようとしたのか?それは
 「ちょっと言ってみよう  ちょっとやってみよう」 というちょっとした気持ちが、大きな行動や結果のきっかけになっているようです。我々は病気の事を考えるとどうしても消極的になりがちですが、彼女は違いました。そうです
 「すべての始まりは小さな一歩から」なんだそうです。小さな一歩を踏み出す勇気があれば、スタートは出来るそうです。しかし当然その後は様々な苦労はあるはずです。そんなときは祖父から頂いた「難が有る事は有り難い事」という言葉を思い出して困難を乗り越えているようです。すごい!果純さんと同じようなことをすることは非常に困難ですが、今後の人生を〇〇だから出来ない〇〇だからやらないではなく、やはり、「ちょっとやってみよう」 とほんの少しでも前向きに考えることが大事なことなんだと思い知らされました。果純さんの今後の人生の更なる活躍を応援していきましょうね。

≪感想≫

  •  講演終了後、勇気と希望という温かい大きな手で背中を押されたような気がして、熱い思いがこみ上げてきました。死の危険と隣り合わせの7日間の250kmアタカマ砂漠マラソンへの挑戦、私には想像すらできない世界でした。小学校3年生のときに、自ら病気のことを学級の友達に説明したときから、果純さんの挑戦が始まっていたような気がします。「ちょっと、言ってみよう」「ちょっと、やってみよう」病気であることは当たり前、戻れない自分がある、だからこそ、自分の力で小さな一歩から進めていこうという生きる姿、そこには、「難があることは有り難い」という祖父母の言葉が大きな支えとなっていました。
     病気は、自分の人生にとって何の障害でもない、むしろ、病気になった自分は特別だと考えてしまうことが自分の人生の障害になっていること、難があれば、自分で乗り越えていけばいいんだ、後には引けない、自分で前に進むことが自分を支える自信を生み出してくれる、そして、そこには、必ず支え合う仲間がいるということを改めて思いました。(役員)

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