Home 過去の行事 行事一覧 2021年度行事 カーボカウント勉強会

カーボカウント勉強会の報告

 特別会員の堀尾先生からカーボカウントのお話をいただきました。先生はサマーキャンプにも 20年以上も参加しておられ、また機関誌「つぼみ通信」にも連載原稿を頂戴し、患者会をご支援いた だいている先生です。
 カーボカウントは超即効型インスリンが出てから普及して きました。食事の炭水化物の量に合わせてインスリンを打つ量を決める方法です。炭水化物は食物繊維と糖質から 成っていて、食物繊維はエネルギーとしては無視できるほ ど小さいので、食品のラベルに注意して糖質の欄を見てほ しいと言われました。食品に書かれている、
 ①微糖、
 ②糖 類控えめ、
 ③低糖、
 ④糖類ゼロ、
 ⑤カロリーゼロ、
 ⑥甘さ控えめ
のうち、どれが砂糖が最も多く使われているか?のクイズがあり、
 ①微糖、②糖類控えめ、③低 糖は、飲料100mL中の糖類は2.5 g以下、
 ④糖類ゼロは0.5g未満、
 ⑤カロリーゼロは熱量5kcal未満、糖類の場合1.25g未満と決められているそうです。
 ⑥甘さひかえめの表記は制限がな いとのことで、
これは覚えておくといいと思います。うっかり書いてあることを間違って理解しないように、特に低血糖対応で補食するときはしっかりラベルを確認しましょうとアドバイスされました。
 日本では1カーボは糖質10g、ドイツもこれと同じなのですが、アメリカは15gとなっていることがあり、日本でもまれに15gと書かれたものがあるので、注意してほしいと言われました。
 カーボカウントでは、炭水化物量に基づいてインスリンの量を決めますが、炭水化物量の見積り誤差が10g以内のとき、食後血糖値の変化に有意差はないという公表データを示され、いわゆるざっくりとした見積もりで問題はなく、カーボカウントは実践し経験を積むことが大切とのことでした。
 糖質は、主食の割合が最も高く約80%を占めています。おかずは分かりにくいのですが、ざっくり2カーボ程度で見積もることで大抵の場合ほぼ大丈夫とのことでした。ご飯一口で血糖値はいくら血糖値変わるか?といったことなど、具体的に役に立つお話をしされました。これは、ごはん一口20gとして、ごはん1gの糖質は約0.4gなので、一口の糖質は8gとなります。おおよそ1gの糖質で5mg/dL変わるので、その4倍なので40mg/dL変化しますと説明されました。
 食べ方の順番として、野菜をはじめに食べ、肉・魚類、炭水化物(米、イモ類)を食べると、HbA1c が0.5程度下がったデータを示されました。もちろん、ちゃんと噛んでゆっくり食事することが前提 です。先生から、おやつと補食をちゃんと区別すること、また普段から正しい食生活をしていると、 栄養バランスの良くないファストフードなどに関心が向かないようになるとお話がありました。
 カーボカウントは、多少大雑把にやっても継続させることが大切なことがよく分かりました。お忙しい中、貴重なお話をいただきました堀尾先生に心より御礼申し上げます。

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