1型糖尿病患児の療養および学校との連携についての研修会の報告

 毎年恒例の「令和3年度1型糖尿病患児の療養および学校との連携についての研修会」が、7月28日(水)にWebにて開催されました。今年で20回目となります。昨年はコロナの影響で中止となってしまいましたが今回は初めてWebにて開催することとなりました。学校の養護の先生を始め総勢64名の先生方が申込みされ、大変有意義な会となりました。1型糖尿病の事を理解して患児の学校生活の助けになろうとする教職員の方々の姿勢には本当に頭が下がります。
 最初に、杢野医院の杢野先生から、病気の基礎的な内容や特徴をイラストなどでわかりやすく説明して頂きました。杢野先生は2001年の初回から21年間もこの研修会で講師をして頂いています。昔は、死に直結する病気であったが、インスリンの発見により、健康的な生活ができるようになったこと、今ではプロスポーツなどで活躍している人が多いことなどが紹介されました。
 次に、当会会長の山下実の「児童・生徒~成人 1 型糖尿病患者の現況と諸問題」では、1型糖尿病に関わる様々な諸問題を説明して頂きました。特に就職関連のお話は先生方には貴重な情報であったのではないでしょうか。最後に患者側からの体験談として、当会会員とそのお母さんからのお話を頂きました。4歳で発病されてからお母さんと二人三脚で乗り越えてきた経緯をパワーポイントで画像を交えた資料で説明されました。学校へ伝えたことやお願いしたことを箇条書きに説明されて非常にわかりやすかったです。よく、不安ばかりを先生方に感情的に訴える保護者の方もおられますが、理路整然と説明されたおかげでこれまで大きなトラブルもなくこれたのかなと思いました。
 最後の質疑応答にはたくさんの質疑が出て杢野先生、体験談講演親子、山下会長がそれぞれに応答をして、充実した研修会であったと思います。

★先生方の感想(一部)★ 
●糖尿病の基本的な知識に加え、小児糖尿病の患児が受けやすい誤解とその予防方法について、理解することができました。養護教諭として、担任の先生や他の職員へ説明する際に参考にさせていただきたいです。

●患児が卒業するまで、体育の授業は月水金の2時間目に設定します。(教務主任)
保護者との連携を密にしておきたいです。母親との連絡がすぐにとれるのでありがたい。(養護教諭)
患児の体調変化に気づけるように、リブレでの血糖測定などきめ細かく様子をみていきたい。(担任)

●4才の発症から中学3年生の今に至るまでの体験を写真とともに説明いただき、大変勉強になりました。学校への要望や他児童への説明内容、学校現場での実際の加藤さんの過ごし方を知り、学校と保護者、患児との連携の大切さを学ばせていただきました。ありがとうございました。

●糖尿病の特徴や治療などの概要だけでなく、患児の年齢別の状況や支援方法などについて例を挙げながら話して下さったためわかりやすく、保健所保健師として1型糖尿病の患児の支援をする際に参考にさせていただきたいと思います。

●なかなか具体的に体験談を聞いたことがなかったのでとても勉強になりました。学校にどのようなことを伝えたか、児童へどのように説明したかという部分は難しい部分と感じていたため、参考にしていきたいと思います。

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