平成25年度 カーボカウント勉強会
平成25年6月23日、ウインク愛知において、カーボカウント勉強会が開催されました。22名の会員、家族が出席されました。講師は、当会の特別会員である、ソレイユ千種クリニック 木村院長です。
カーボカウントは、食後の血糖コントロールのための手段であり、栄養バランスや体重管理は関知しない、別次元で考えるべきである。そういう意味では、1型糖尿病の患者の方は、昔は、主治医に内緒で、「うつ、のむ、くう、はかる、うつ」を経験的に実施していた方もいたようです。しかし「たくさん食べるから、インスリンを多めに打つ」という考えだったことで、焼肉低血糖/鍋低血糖ということがあったようです。
最近は、食後血糖は炭水化物(糖質)接種量の影響が大きいこと、超速効型のインスリンがでてきたことから、カーボカウントが一般的になってきました。
カーボカウントを行うにあたって、2つの方法があります。
・ 基礎カーボカウント : 食事の糖質量を一定にすることにより、食後血糖を安定させる。
・ 応用カーボカウント : ある程度自由な食事を摂りながら、食べる糖質量に応じて超速効型インスリンを調整する。
最初は、基礎カーボカウントからはじめて、記録や反省振り返りを毎日実施する。半年もすれば、どうすればよいかわかってきて、計算しなくても感覚的にできるようになります。
カーボカウントを行う前提は、以下の通りです。
・ ベーサルインスリンが確立されていること
・ 低血糖時の正しい捕食を習得していること
・ 血糖測定をこまめにすること
・ 体重管理ができること
低血糖時の捕食は、すぐに血糖値があがるブドウ糖がいい。種類もいろいろあるので、飽きないようにいろいろ使ってみるといい。カーボカウントは、食事の中の糖質を数えます。しかし、誤差やインスリンの量を細かい単位で調整できないことから、細かいところまで行う必要はありません。主食を重要視します。副食はおおざっぱでかまいません。ただし、イモ、麺、揚げ物の衣がある場合は注意します。
カーボカウントを行うことで、食事は自由になります。自由になるからと言って、どれだけ食べてもよいわけではありません。自由には、個人での責任が伴います。自分でしっかり管理する必要があります。自分の食事内容を把握し、血糖の変化を記録し、毎回のインスリン量を自分で判断し、自己で健康管理をすることになります。このことにより、自己管理力が向上します。これが一番の効果です。
最後に、以下の結語で、講演が終了しました。
・ カーボカウントは、案ずるよりもまずやってみる。
・ 1型だって基本は基礎カーボ。
・ 困った時や特別な日には応用カーボ。
・ お母さんがやらなくて誰がやる?
・ 小児発症の子は、いずれ体で覚えます。