平成28年度  総会および講演会

 2016年度定期総会が4月17日(日)ウインク愛知にて行われました。山下実 会長
 午前の総会は、出席正会員数135名(うち委任状提出113名)で、全正会員数245名の1/4を超えましたので成立しました。昨年度の事業報告と決算報告、今年度の事業計画と予算が審議されすべて承認されました。
全景
 午後はソレイユ千種クリニック院長 木村那智先生から講演会 「1型糖尿病の基本と将来の展望」 が開催されました。

≪講演概要≫
「1型糖尿病の基礎と将来の展望」
  講師:ソレイユ千種クリニック 院長 木村那智先生講師 ソレイユ千種クリニック院長 木村那智 先生

~基礎編~
【基本手技と知識のチェック】
  ・空打ち
  ・注入後の保持
  ・注射部位のローテーション
  ・インスリンの夏場の高温、冬場の凍結注意
・・・我流の大事さ・・・
 例えば針を替えないのは針を替える暇がない程こまめにインスリンを打ちたいから。面倒という理由ではない・・・というように、メリットがデメリットを上回ればその我流はOK!
 1型糖尿病の血糖コントロールは、人の生き方そのもの。10人いれば10通りのやり方がある。
 コントロールの鉄則も『根拠を持って破る!』
 その為には、まず基礎手技、知識をしっかり身に着けることが最重要!!
 完璧な結構コントロールにこだわりすぎない!
 ただし、運動・食事・インスリン管理等自分で調節できるものについてはその精度を上げていくことが大切。

【正しい低血糖の対処】
 ・グルコース(ブドウ糖)10gが基本
 ・激しい運動時は20g必要(10gでは上がらない)
 ・補食太り注意(低血糖で食べて上がりすぎてインスリンを打つと太りやすい)

【ベーサルの見直し】
 ・生活に応じたインスリン分泌を注射で再現するのが1型糖尿病。
   ベーサルとボーラスが合っていることが大切。
 ・ベーサルが合っているか徹底的に話し合うことが外来診療時の課題!
   ただし、コントロールを意識しすぎてカーボに振り回されては本末転倒。
   こだわりすぎても、どうせ誤差が大きいから食 事を楽しむこと!

~将来の展望~
★夢を持って生きる
 ・1型糖尿病であっても自分の夢をあきらめない!
 ・せっかく1型糖尿病になったのだから、それでしかできなかったことをやる!
★多元的に進む1型糖尿病根治への道のり
 ・インスリンの進歩(インスリンパッチ(貼り薬)、吸入インスリンなど)
 ・機器の進歩(指に挟むだけ、腕に貼るだけのセンサーなど)
 ・合併症の克服(基礎を守り今の治療を続ければ合併症は克服できる)
 ・根治に向けて(ワクチン、膵機能保存・再生、異種膵島移植、再生医療による自己膵島移植など)

~まとめ~
 ◎時々基礎知識をふりかえる
 ◎低血糖の正しい処置
 ◎ベーサルが合っているか常に気を付ける
 ◎1型糖尿病の将来は明るい!夢を持って行きよう!

その日が来るまで今の治療を淡々と続けて行きましょう!

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