11月4日(日) ウインクあいち
講師: 木村那智先生(ソレイユ千種クリニック院長)
はじめに,1型糖尿病を発症した時期によって気持ちや病気の受け止め方が違っていて,特に思春期ではトラウマになったり,青年期では不安を強く感じること,また家庭環境や経済状況などによって1型糖尿病ライフのキャラクターが形成されることを説明されました.治療へのモチベーションも成長とともに,「親に言われるから」,「将来のため」,「家族のため」と変化し,生涯にわたって自分でうまくケアすることが大切と言われました.
続いて,インスリン治療の基本についてのお話があり,基礎インスリンの量を正しく決めることがまず重要で,たとえば,就寝前の血糖値と起床時の血糖値を比較して,調整する必要があることを,血糖測定値データを見せながら説明されました.
焼き肉など油分の多い食事を取ると,超即効型インスリンでは血糖値を十分下げることができないこともあり,たくさん食べた時はインスリンを追加打ちして血糖をコントロールすることも必要と言われました.また長即効型インスリンは,食事を始めるときに普通は打つのですが,アメリカ糖尿病学会発行の手引書には「食事の15分前に打つべきである」との記述があり,この方法は食後の高血糖を抑えるのに一層効果的なことを血糖値変動グラフを示して説明されました.
最新のデバイス情報として,0.5単位で設定できたり,最後に打った時の量と経過時間の表示機能がある新しい注射器も紹介されました.最近,ユーザーが増えている血糖測定器リブレについては,頻繁に測定して血糖値の変動傾向をつかむことが,セルフケアの意識を高め,HbA1cの改善につながるので,測定回数を増やして有効に活用してほしいと強調されました.
この勉強会には,韓国の糖尿病人会(患者会)のメンバー16名が同席しました.木村先生のお話はほぼ逐次通訳され,韓国患者会の方も理解し質疑も活発でした.
勉強会の後に交流会を行い,自己紹介,お互いの患者会活動を紹介しました.さいごに記念撮影をして,閉会しました.