教職員向け研修会の報告
毎年夏恒例になった教職員研修会が、7月25日(水)にウインクあいちにて開催されました。学校の養護の先生を始め総勢138名の先生方が出席され、大変有意義な会となりました。病気の事を理解して患児への助けになろうとする教職員の方々の姿勢には本当に頭が下がります。ありがとうございました。
最初は、杢野医院の杢野先生から、病気の内容、特徴をわかりやすく説明がありました。昔は、死に直結する病気であったが、インスリンの発見により、健康的な生活ができるようになったこと、今ではスポーツを始めとして、活躍している人が多いことが紹介されました。
次に、患者側からの体験談として、当会会員で大学生からのお話がありました。物心がつくより先に1型糖尿病を発症していた彼のお話はとても自然で明るく頼もしく思えました。
《感想》
- 「特別扱いはしないでほしい、見守っていてほしい」彼が、一貫して語った言葉です。
3歳のときに発症した彼にとって、インスリン注射による血糖値コントロールは生活の一部となっていました。それだけに、小学校に入学して以来、彼は、常に「自分でできるから特別扱いしないで、みんなと同じだよ」というメッセージを発信していました。友達の前でインスリン注射をすることに少しも躊躇しない彼とともに学校生活を送るうちに、周りの友達や教職員の意識が変わっていきました。「1型糖尿病は、血糖値コントロールさえすれば、何でもできる、みんなと何も変わらない」という、1型糖尿病について理解をも得られるようになっていました。その陰には、学級担任をはじめ、教職員の方々と保護者、主治医との連携、情報共有ができていたからこそ実現したのだと思います。
学校は、全ての子供たちにとって安全、安心な場所でなければいけません。そのためには、学校と保護者の不断の努力は欠かせませんが、何より大切なことは、教職員も子供たちも「特別ではない、みんなと同じ」という意識をもつことが大切だということを彼が教えてくれたような気がします。
この夏、大学4年生を迎え、新たな世界に踏み出そうと挑戦する彼に、大きな声援を贈りたいと思います。(役員)
★先生方の感想(一部)★
- とても分かりやすく、子どもたちへの説明、患児への対応も自信をもってできそうです。ありがとうございます。
- 毎日の測定、注射があり、たいへんな病気だと思っていましたが、他の子と同じように何でもできることがよくわかりました。
- 患児の気持ちを大切に接していく必要性を学びました。研修会に参加してよかったです。ありがとうございました
- 伝え方1つで捉え方は全然ちがうんだと感じました。今のうちはいいけれど思春期になると、今のやり方では不満に感じることもあるのかと思いました。一度、本人にきいてみようと思います。
- とても貴重な話がきけてよかったです。思ったことは、型にはまった対応(正解)があるわけでなく、人として本人の気持ちに合わせておしたりひいたりしながら向き合うことが大切かと思いました。(本校の1型の子と今後よりよいつきあい方をしたい。)
- 低血糖の症状をくわしく教えて頂き、とても勉強になりました。手足のつめたさ、冷や汗に十分注意していきたいです。