2021年度総会及び記念講演会の報告

 2021年度定期総会・記念講演を4月25日(日)にウインクあいちにて開催する予定でしたが、新型コロナの影響で会場での開催は中止しWeb総会として行いました。総会は、委任状提出数が131名で、全正会員数233名(愛知191名岐阜42名)の1/4を超えましたので成立しました。昨年度の事業報告と決算報告、今年度の事業計画と予算が審議されすべて承認されました。議事内容の詳細は、別紙の「総会資料」こちらをご参照ください。(総会資料は会員以外は閲覧できません)

≪記念講演の概要≫
講演1 「みんなで勉強しよう お口の病気とからだの病気の関係に口腔ケアをおぼえよう」
講師: 太田歯科医院院長 太田眞吉先生、歯科衛生士 太田帆南氏

<太田眞吉先生の講演>
 口の中に歯周病などがあると細菌感染したとき、たとえば細菌が心臓に入ってしまうと、心臓病発症の原因となったりすることをお話しいただき、口腔ケアは非常に重要なことが分かりました。適切な口腔ケアは、糖尿病の合併症発症のリスク低減、介護が必要となる原因の第1位である脳血管疾患の予防にもつながるものと話されました。
 不適切な栄養や運動不足といった生活習慣によっても、様々な病気を発症する危険性が高まることに加えて、口は食べ物の入口であることを十分認識し、口の病気が感染症疾患の発症につながることを考えて、口腔ケアに取り組んでほしいとのお話しをいただきました。
<太田帆南氏(1型糖尿病患者)の講演>
 高校生の時に発症がわかり、大学在学のとき現状について不安を感じ、卒業後、専門学校に進み今の職に就いたそうです。お話の中で、糖尿病の合併症を防止するためにも歯周病にならないこと、またなってしまった場合はその治療が有効で、定期的な検診や自身の歯磨きテクニックを向上させることが予防に役立つとお話されました。
 歯周病について詳細に説明いただきました。あらためて歯と歯茎の健康には注意すべきと認識しました。体調によっても歯肉炎を起こしやすくなることもあり、また歯肉炎から歯周病に至らないように注意すべきと話されました。
 最後に歯磨きのデモンストレーションがあり、具体的に説明され参考になりました。

講演2 「会員体験談」講師:M氏(1型糖尿病患者本人)
 発症は23歳のときで、しばらくは落ち込んでいた時期があり、その後、結婚や出産を意識してから病気と向き合うことに前向きになることができたとのことです。第1子出産のときは、リスク低減のため頻回に血糖値測定を行うこと、夫婦で1型糖尿病の勉強をしたとのことでした。つわりで運動が減ったとき血糖値が高めになりやすいことが分かったので、頻繁に血糖測定を行うようにして対応し、持続型のインスリンは寝るときと起きた時の値が近くなるように調整したとのお話がありました。
 また産婦人科の先生が、「お産は健常者も1型糖尿病の人も変わらないよ」と言ったことが心理的な支えにもなっているように話され、第2子も間もなくご予定されているとのことです。家族になる人には、1型糖尿病を詳しく知ってもらう必要があるため、新しい情報をきちんと伝えたり、一緒に勉強することが大切を述べられました。妊娠から出産について、過度に心配するとストレスにもなるので、自分の体を血糖測定などを通してチェックすることが大切と言われました。安心感を得るためにも血糖測定の大切さを感じさせるものでした。
 最後に病気と向き合えない人には自分なりの進め方で無理なくやっていけばいいとアドバイスされました。

≪編集部より≫
 太田先生と帆南さん親子の講演は見ていて微笑ましかったですね♪口腔ケアの大切さが理解できたことと私たちが思っているより歯と糖尿病との密接な関係があることも良くわかりました。これからは頑張って歯を磨きます!
 Mさんは血糖コントロールがうまくいってない時期から、勉強して無事、出産に至った経験談をお話して頂きました。出産を控えた1型女性にとって非常に心強いお話でした。また今現在コントロールがうまくいってない患児にも「やればできる!」と自信につながるのではないでしょうか。

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