Home 過去の行事 行事一覧 2024年度行事 木村先生の1型糖尿病勉強会

木村那智先生の1型糖尿病勉強会の報告

2024FY-studyMeeting1-panoramicView.jpg 当会の特別会員の木村那智先生を講師にお招きし9月29日(日)に1型糖尿病勉強会をイーブルなごやにて開催いたしました。
 米国内1型糖尿病患者の年齢別平均HbA1cのグラフを、治療の主体切り替わりとともに講演されました。

①    乳幼児期発症の場合は全て親が管理します。保護者のストレスやプレッシャー、子どもへの罪悪感は極めて大きいものです。対処方法は厳格なコントロールは求めない、保護者が焦らないことだそうです。(年齢別平均HbA1c:5歳8.2%)

②親に言われて行動する学童期に移行します。生活の中心が保護者から離れた集団生活になるため、学校関係者との綿密な連携が必要となります。思春期に入るとHbA1cは高くなります。(年齢別平均HbA1c:16歳8.7%)子どもは1型糖尿病への怒り、絶望、無視、妥協など自我の確立のための葛藤が起こります。対処方法として子どもの意思を尊重しつつ、前向きな動機付けを行うようお話がありました。

③自分のために治療する青年期では、社会での競争(学業、出世、パートナー獲得)が本格化します。病気をオープンにして就職活動を行うか否かは、十分な話し合いが必要だと助言をいただきました。(年齢別平均HbA1c:30歳7.4%)そして、病気を持つことが特別でなくなってくる壮年期に入ります。血糖も大切だが人生を楽しむことも忘れないで欲しい、人としての成長が一番大切だとお話されました。

 災害対応についてもお話をしていただきました。今年は、巨大地震注意発表や台風の影響で異例のお盆となりました。「まさか」は、実は身近な場所で待ち構えているかもしれません。避難所での食事に対応するためカーボカウントを知っておくことが大切で、病院の被災も想定してインスリンなどの予備を準備しておいてほしいと言われました。普段使っている薬の名前をフルネームで覚えておくことは、緊急時の入手のしやすさにつながります。長時間停電の場合は充電式のポンプなどが使えなくなることもありますので、注射器などを準備したり、停電対応としてソーラー式チャージャーや乾電池から充電できるものを備えておくのも良いとアドバイスがありました。
 さいごに、ご講演くださいました木村先生に心より御礼申し上げます。

◆◆参加家族の感想を頂きました◆◆
•最近は血糖コントロールや健康を最優先できない場面が増えてきました。木村先生の講演を拝聴し、血糖マネジメントはモチベーションのマネジメントだと思いました。
•血糖値に一喜一憂していましたが、16歳の平均HbA1cが8.7%と結構高めだと知り安心しました。
•木村先生のお話を何度も聞きに伺っています。とても勉強になります。
•災害時にコンセントが使えないことを想定して備えなければと思いました。

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